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2023-10-02 高校生の現場見学会(金足農業高校)を実施しました

↑ 写真のスライドショーです ↑ 

 令和5年9月19日(火)、秋田県立金足農業高等学校環境土木科1年生を対象とした現場見学会を、秋田県秋田地域振興局建設部との共催で実施しました。当日は、生徒さん29名が参加されました。
 見学した場所は、以下のとおりです。
  ①ふ頭用地造成工事(秋田市向浜)
  ②秋田空港(秋田市雄和)
  ③下水道秋田臨海処理センター(秋田市向浜)

 最初の見学場所であるふ頭用地造成工事の現場では、「全体計画平面図」「工事概要書」が配布され、現場の確認と平面図・概要書のパネルを参照しながら説明を受けました。まず秋田県秋田港湾事務所の職員の方から、次に㈱加藤建設さんから説明があり、その後質疑応答が行われました。
 生徒さんからは、「7月の大雨の影響はなかったのか」と質問がありました。川と海はつながっているので影響があったかと思いましたが、意外にもなかったそうです。それよりも、海に隣接する場所なので波風が非常に強く、作業は天候に左右されるとのことでした。暴風・台風の影響で手戻り(やり直し)が発生することもあるそうです。
 また、複数の作業船がいるので他工区と連絡を取りながら、作業区域が重複しないように調整しながら行っているとのことです。複数企業が参画する現場ですので、高度な連携が必要とされます。建設業は完成する物の大きさ・かかる時間が圧倒的にボリュームがありますので、完成したときの充実感がひときわ強く感じられるようでした。㈱加藤建設さん所属のOBの方から、後輩の皆さんに向けて、高校生のうちに取り組んだ方がよいこと等のアドバイスをいただきました。現場では、㈱清水組さんにもご協力いただきました。

 次に秋田空港に向かいました。当日の行程は、電源局舎→消防車庫→外周を1周→除雪作業のDVD視聴でした。
 電源局舎では、職員の方から航空灯火についての説明を受けました。航空灯火は、航空機の安全な離発着のために設置されているもので、滑走路上の照明です。ライトは白から奥に進むにつれて赤になります。日中だとラインの色が太陽の光で見えないので、ライトの色の変化で滑走路があとどのくらいあるかを知らせているとのことでした。日中であればラインの色が見えそうなものですが、地上を走行している自動車とは違って遠く空から降りてくる航空機ですと、設備にもさまざまな工夫が必要とされるようです。生徒さん方は、局舎内のモニター画面等をじっくり観察しつつ、職員の話に耳を傾けていました。
 消防車庫では、大型化学消防車に乗車させていただきました。見学の際に停車してあったのは、FRP(強化プラスチック)製の1号車とアルミ製の2号車です。そのうち、1号車に乗車させていただきました。こちらの消防車は、カテゴリー9(国際民間航空機関で定められている航空機の規模レベル。1から10まであり、10が最大)の航空機の消火活動に対応できる、非常に高度な能力を持っています。
 ここからまたバスに乗り、空港の外周を1周しました。不審者対策として返し付きの柵(場周柵)が張り巡らされています。柵には銀色のものと白色のものがあり、白い方はILS(滑走路への進入コースを指示する無線着陸援助装置)を搭載しているため、無線に干渉しないよう非金属製(FRP製)となっています。その他にもさまざまな設備があり、そのひとつひとつについてバスに同乗していただいた職員の方から説明を受けました。
 お昼休憩の前に、秋田空港管理事務所で除雪作業のDVDを視聴しました。離発着の時間帯には作業ができませんので、除雪作業は早朝3時に開始し、夜明けに終了する夜の仕事です。昼夜逆転しますので、健康管理が大変とのことでした。
 空港は想像するよりも多くのスタッフに支えられ、さまざまな組織の連携のもとで稼働していることを実感とする行程でした。

 本日最後の見学は、下水道秋田臨海処理センターです。こちらでは雄物川、秋田港、八郎湖の水質保全を行っています。センターがないと、下水がそのまま川や海に排出されてしまいますので、疫病が蔓延してしまうとのことです。なくてはならない重要な施設です。1日あたり113,000㎥、25mプールに換算すると300杯分という途方もない量の下水を処理しており、処理範囲は、秋田市、男鹿市、潟上市、五城目町、井川町、八郎潟町、三種町、大潟村の3市4町1村。幹線(複数の支線を集める大きな管)の長さは165kmで、その中を流れる下水の速さは人の早歩き程度。いちばん遠い地点からセンターまでは半日程度かかるとのことです。
 この時は大雨に見舞われ、外の沈殿池の見学は中止になりました。その代わりに、中央管理室、水質検査室、ポンプ電動機室を見学しました。大量の下水処理をしている施設ですので、屋内であってもひとつひとつの設備は大規模です。普段私たちが送っている何気ない生活を衛生面で守っているのがこちらのセンターです。その役割の大きさを生徒さん方には感じ取っていただけたのではないかと思います。

 それぞれ特色ある場所の見学を終えて、生徒さん方の今後の学習や進路選択の一助となっていればありがたく思います。

 


 


 

2023-09-15 高校生のインターンシップ(秋田工業高校)を実施しました

 

↑ インターンシップの様子① ↑ 

↑ インターンシップの様子② ↑

↑ 事前打合せ写真のスライドショーです ↑

 令和5年9月5日(火)~7日(木)の3日間、当協会会員企業26社の皆様のご協力により、秋田県立秋田工業高等学校土木科・建築科の2年生52名を対象としたインターンシップを実施しました。それに先立ち、8月30日(水)・9月1日(金)の両日、事前打合せが秋田工業高校会議室にて行われました。

 第1回目の8月30日(水)は、土木科2年生を対象とした打合せで、まず校長先生からご挨拶をいただきました。災害によるインフラ整備についてや建設業の役割の大きさ・重要性についてお話しいただきました。次に当協会田中事務局長より挨拶させていただきました。業界の少子高齢化等を話させていただき、高校生の皆さんのお力が切に必要であることを伝えさせていただきました。
 その後、受入企業担当者から一言ずつご挨拶をいただき、土木科の先生方をご紹介いただいて、受入企業ごとの打合せに入りました。

 第2回目の9月1日(金)は、建築科2年生を対象とした打合せで、まず教頭先生からご挨拶いただきました。近年のインターンシップ実施状況と当協会の協力への感謝の言葉が述べられました。次に当協会田中事務局長より挨拶をさせていただき、その後に受入企業担当者から自己紹介やPR等を簡単に述べていただきました。秋田工業高校卒業生の入職状況のお話や、実際にその社員と同行して打合せに参加されている企業も数社ありました。参加受入チームを若年層の社員で固めているというPRがあったり、新入社員と同じ仕事をしていただく等、生徒さん方に配慮したお話が多くありました。その後、受入企業ごとの打合せに入りました。

 両日とも生徒さん方は真剣に担当者の話に耳を傾けていました。緊張感も感じられましたが、担当者とのコミュニケーションを通して次第にほぐれていったように見受けられました。

 当協会では、㈱英明工務店さんの現場を取材させていただきました。場所は秋田市豊岩石田坂地内の、秋田南大橋にほど近い雄物川左岸です。土木科2年生の生徒さん2名が、2タイプの草刈機の操作体験をしていました。高校2年生であれば自動車の運転免許も取得していない年齢ですので、操作体験は特に緊張感の強い体験だったのではないかと思います。指導担当者の説明をしっかり聞き、操作はとても慎重でした。生徒さん方はどちらもサッカー部所属だそうで、同じく秋田工業高校でサッカー部所属だったという指導担当者の方が、時折サッカーの動きに例えるなどしてきめ細やかな実地指導を行っていました。

 操作体験の終了後、生徒さんにお話を伺いました。今回のインターンシップでは、草刈機の操作体験の他にバックホーの運転体験やさまざまな機械の見学を行ったとのことでした。それがとても楽しかったそうです。建設業に対しては、これまで「きつそう」「危ない」という印象を持っていたと言います。卒業後の進路希望としては進学のみを考えていたとのことでした。しかし、インターンシップを通じて建設業に携わるのもよいと感じ、進路の選択肢が広がったとのことでした。お二人とも爽やかで3日間が充実していたことが伺える笑顔でお答えいただきました。慣れない体験の最中に撮影とインタビューにご協力いただき、心より感謝申し上げます。

 ㈱英明工務店さんの指導担当者の方からは、現在社員でいちばん若い方でも30代であり、こういう機会にまた若い方にきていただけたら、とのコメントをいただきました。お忙しい中ご協力いただきまして、ありがとうございました。

 インターンシップが生徒さんの進路に及ぼす影響について、筆者自身は懐疑的に捉えていましたが、実際に体験することによって建設業に対して自身が作り出していたイメージを現実のものに修正できる効果があると感じました。

 

 

2023-09-08 高校生の現場見学会(男鹿工業高校)を実施しました

↑ 写真のスライドショーです ↑ 

 令和5年9月5日(火)、秋田県立男鹿工業高等学校設備システム科1年生を対象とした現場見学会を、秋田県秋田地域振興局建設部との共催で実施しました。当日は、生徒さん24名が参加されました。
 見学した場所は、以下のとおりです。
  ①ふ頭用地造成工事(秋田市向浜)
  ②岩見ダム(秋田市河辺)
  ③秋田空港(秋田市雄和)
  ④下水道秋田臨海処理センター(秋田市向浜)
 
 最初の見学箇所であるふ頭用地造成工事の現場では、全体計画平面図が配布され工事の概要の説明を受けた後、㈱沢木組さんが所有する東北第2位の規模の作業船「第七大雄号」に乗船させていただきました。「第七大雄号」は最新のICT技術を導入した起重機船(クレーン船。重量物を吊り上げて移動させることに特化した船舶)です。停泊しているからかもしれませんが、その巨大さにより乗船すると水上にいるという感覚がありませんでした。
 実際に作業に使う部分の他に、船内には会議室、キッチン、浴室、ベッド付の個室があり、陸上と変わらない生活を送ることができます。見学会当日は最高気温33℃でしたが、各部屋はエアコン完備で、室内は涼しく快適でした。このような環境ですので、女性の入職も歓迎しているとのことでした。
 その後動力室、クレーンの操縦室等を見学しました。実際にクレーンが回転したときの迫力は圧巻です。生徒さん方は、普段見ることのできない作業船のそれぞれの設備に、真剣に見入っていました。この現場にいらした7名の作業員の方のうち3名が生徒さん方と同学科のOBとのことで、距離感がぐっと縮まったように見受けられました。下船後に㈱沢木組さんから、建設業に携わることがなければこのような作業船に乗るのは今日が最初で最後、とお話がありましたが、本当にそのとおりで貴重な体験となったことは間違いありません。

 次に岩見ダムでは、管理事務所職員の方からダムの構造等について説明を受けた後に、ダム上部の通路に進み、水叩き(ダムから落下してきた水のエネルギーを奪うために水を跳ねさせるコンクリートの床板設備)を見下ろす形でさらに詳細に発電設備等についての説明を受けました。ダムの上部はかなりの高さがありました。生徒さん方は、説明を実感を持って聞くことができたのではないかと思います。

 秋田空港では、3名の職員の方からそれぞれ説明を受けました。まずパンフレット「秋田空港概要2023」をもとに組織体制をはじめとした空港の概要について、次に滑走路端安全区域整備事業についての説明がありました。滑走路端は法定で90mの幅員がなければならないそうですが、現在の秋田空港では40mしか確保できていないということで、そのために実施している改良工事について教えていただきました。最後に、秋田空港内に1,000基もあるという航空灯火の維持管理等につき、説明を受けました。

 最後に下水道秋田臨海処理センターを見学しました。座学でセンターの概要と管渠(水路)の運用方式、下水の流速(流れるスピード)や処理範囲、処理施設、処理の流れ等について説明を受けた後、沈殿池を見学しました。最初の沈殿池はかなり酷い臭いがしますが、処理が進むにつれて臭いが軽減し、水質もよくなっていっていることを確認できました。生徒さん方も、最初の沈殿池では臭いに顔をしかめる様子がありましたが、その次の沈殿池で既に臭いが軽減していることに驚いていました。
 
 今回の現場見学会で、生徒さん方が建設業について考えるきっかけとなったり、建設業についての理解を深めるために寄与できていれば幸いに思うものです。
 

 

2023-08-24 管内工業高校に機器を寄贈しました

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 (左の写真:男鹿工業高校 筒井勝校長と当協会平野会長、右の写真:秋田工業高校 佐藤隆史校長と平野会長)

 令和5年8月24日(木)、当協会管内の秋田県立男鹿工業高等学校並びに秋田県立秋田工業高等学校に機器を寄贈しました。

 機器の寄贈は、建設業への若年労働者の入職及び育成を図るとともに、建設産業の社会的向上や建設業への認識を深めてもらうことを目的として行うもので、実習教育で使用する測量機械や情報機材を中心とした機器をその対象としています。当協会では、近年会長が管内工業系高校に赴き、寄贈しております。

 本日、男鹿工業高校へは、トータルステーション1台、金属製三脚1脚、TSミニプリズム1式を、秋田工業高校へは、デジタルレベル4台、金属製三脚4脚、RABコードスタッフ4本を寄贈しました。

 このことにより教育環境の充実に少しでも寄与し、高校生の皆様の建設技術の涵養や豊かな実習体験に貢献できればと願うものです。

2023-07-14 安全管理講習会を開催しました

 R5.7.6(木)13:30~15:30、当協会3階大会議室にて、安全管理講習会を開催しました。本講習会は、例年全国安全週間にあたるこの時期に開催しているもので、今年は40名の参加がありました。

 講師は、秋田労働基準監督署 安全衛生課長 佐藤永史氏、第一方面主任監督官 袴田周氏の両氏で、第一部として「建設業における労働災害防止対策について」、第二部として「働き方改革関連法について」をテーマにそれぞれ1時間の講義が行われました。

 「第一部 建設業における労働災害防止対策について」では、佐藤安全衛生課長から、災害統計、災害事例、第14次労働災害防止計画、熱中症対策、石綿障害予防規則の改正、労働安全衛生規則の改正を中心に解説いただきました。県内での令和4年1年間での労働災害発生件数のうち、建設業は304人、前年比33.9%増で、亡くなられた方は8名にのぼっています。少しでも労働災害を減らすために、参加企業の皆様には引き続き安全衛生に対する意識の高揚を維持していただければと思います。

 「第二部 働き方改革関連法について」では、袴田主任監督官から最新の資料をベースに、時間外労働の上限規制について解説をいただきました。2024年4月の労働基準法改正に向けて重要となる36協定届様式の記載方法について重点的に解説いただき、参加企業での実務に有益な講習会となりました。

 


2022-08-10 JCMセミナー「よいコンクリートの構築と延命化技術」を開催しました

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 令和4年7月21日(木)JCMセミナー「よいコンクリートの構築と延命化技術」が、(一社)秋田中央建設業協会3階大会議室で開催されました。セミナー開催時間は13:00~17:00の4時間でした。
 
 講師は近未来コンクリート研究会代表の十河茂幸(そごう しげゆき)氏をお招きしました。十河氏は(一社)コンクリートメンテナンス協会顧問であり、元広島工業大学工学部教授。工学博士、技術士(建設部門)、特別上級技術者資格(メンテナンス)、(鋼・コンクリート)コンクリート診断士、一級土木施工管理技士等の様々な資格を保有する専門家です。近年はこれまでには連携のなかった各団体の橋渡し役として奔走していらっしゃるとのことで、今後の建設業界の発展のために尽力されている方です。JCMセミナーでも日本全国を周り、ご自身の持つ技術や知識の伝達にも注力されておられます。

 当セミナーの受講資格は秋田県土木施工管理技士会会員に限定し、受講者は20名でした。
セミナーは3部に分かれており、第1部が「良いコンクリート構造物を造る施工技術」、第2部が「ひび割れなどの不具合の抑制技術」、第3部が「維持管理のための点検・診断・延命化技術」という構成でした。

 受講者からは、説明がわかりやすく参考になったとの声が多く見受けられました。ひび割れ発生のメカニズム、予防策や対策、種類・発生原因、打設方法について改めて興味を持たれた方や勉強になったという声や、これまで習得した知識の確認ができたなど、有意義なセミナー内容となりました。Web開催を要望する意見もあり、今後の企画の参考とさせていただきたいと考えております。
 
 当日は、秋田県内の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者が800名台が連日続く中での開催で、受講者の皆様には受付時の手指消毒や検温、換気の際にご協力をいただき、スムーズな講習会運営ができました。

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